開業前の7つの誤り -先ずは、“税理士や会計士に相談すること”ではない

税理士や会計士に頼る前に、最低限の会計知識をつけておくのは
経営者として当たり前のことである。

医療業界に携わっていれば誰もが知っている雑誌のアンケートによると、最も相談したい相手が“税理士や会計士”だという。確かに、ある段階になれば、信頼できる税理士や会計士の知力は必要になってくる。
しかし、税理士や会計士に相談する前に、先ずは簡単な“会計”の本を読むことである。「どの本を呼んで良いか分からない。」という言葉をよく耳にすることがある。この類の思考は、知らないことへの拒絶反応であり、知らないことは誰かに依存することが簡単だから、という潜在意識に支配されている場合が多い。
開業医は、医師の仕事と経営者の仕事の二つをこなさなければならない。医師として、専門外の医師に患者を紹介する時、全く知識なく紹介することをするだろうか。最低限の知識があるからこそ、専門外の医師に頼ることができるのではないか。
経営も同じである。税理士や会計士に頼る前に、最低限の会計知識をつけておくのは経営者として当たり前のことである

実例 ― 替えるべきなのは院長の“経営意識” ― 

平成20年の夏、歯科クリニックを経営する開業2年目のF院長から相談を受けた。F院長は当社がプロデュースしたGクリニックの院長からの紹介である。

「開業して2年目ですが、思うように患者が増えません。税理士に相談しても具体的な解決策を提案してくれない。税理士を替えようと思っているのですが、優秀な税理士を紹介してくれませんか。」と私に言った。 私は「それは税理士のせいではなくて、院長のせいですよ。税理士を替えても解決しません。替えるべきなのは院長の“経営意識”です。」と断言した。

クリニックの経営には必ず信頼できる税理士や会計士が必要である。しかし、経営の本質を税理士や会計士に求めるのはお門違いである。彼等は会計(税法)のプロではあるが、経営のプロではない。  現在F院長は今までの“経営意識”を替え、我々が提案した新たな“予約管理システム=ケータイ診察券”を導入し、予約キャンセルは右肩下がりで減少し、右肩上がりで患者数が増えている。