今井義博の父親学

今井義博の父親としての哲学を、実話に基づいて紹介。

今井義博の父親学 イジメ問題への取り組み ①

『父親としての基本哲学』

 平成17年5月某日、今井家の朝の食卓から物語りは始まる。
 今井家の朝は、午前6時に家族全員がテーブルにつき、全員で「いただきまーす。」から始まる。家族構成は妻一人、子供4人(長女14歳、長男11歳、次女7歳、次男4歳、長男と次女は同じ小学校に通っている)。
 ちなみに長女が中学に進学するまでは朝食は7時であったが、通学時間上6時に繰り上げなければならない状況になった。妻は私の健康(睡眠時間)や他の子供たちのことも考慮し、長女一人を先に食べさせ学校へ行かせることを提案してくれたが、ビジネスマンとして夫として妻の提案に感謝を伝え、父親としてその提案を却下した。

 今井家の『朝食の定義』は、私が徹夜で仕事をしていようが、どんなにひどい二日酔いであろうが、健康を害していても家族に悪影響がない限り、出張で家を空けない限り、そしてこの定義を守ることで他人に迷惑をかけない限り、父親であり教育者である私の判断(朝食の定義)において、朝食のテーブルには家族全員が揃わなければならない。ビジネスマンとしての判断よりも親であり教育者である判断が優先される。
(正直に言うと、かなりキツイ。が、この定義を長女が生まれてから、破ったことは一度もない。)

 なぜこの定義が必要なのか。
 私は日々の仕事の中で、土日を問わず、様々な仕事関係の方達に会う機会に恵まれている。この恵まれた機会を無駄にしないことがビジネスマンの定義である。他に同意を求めるつもりはないが家族を精神的にも経済的にも健康に維持するために仕事を優先することは、今井家では妻との合意であり子供たちとの合意でもある。
 (私は家事を一切手伝わないということも含め、妻の合意には心から感謝している)

 要するに、私の仕事環境では1日24時間の中で家族と確実に共有できる時間は朝食の20分だけなのである。申し上げたようにこの20分でさえキツイことは何度もある。(私の平均睡眠時間は2~4時間)しかし、この20分を放棄することは私の父親としての仕事を放棄するに等しい。つまり、子供達の状況を日々観察もせずに、コミュニケーションも取らずに、偉そうに父親顔するな、と自分に言い聞かせているのである。

 この20分の間に、子供たちに様々なことを話し掛け、聞くと同時に、躾を徹底させる。「テーブルに肘をつくな」「箸の持ち方が違う」「口に食べ物を入れながらしゃべるな」「ありがとう、を言いなさい」「姿勢が悪い」「ご飯を残すな」などである。
 善悪の分別、正義と哲学、責任と自由、法律と道徳、友情と仲間、思いやり、権利と義務、自己理解、などを意識して子供たちと会話を交わす。もちろん、この20分の質を高めるために食事中はテレビや音楽は消される。

 ちなみに、子供たちからこれらの躾に対し「なぜ?」という質問をされた時の親としての答えは完璧に準備してある。私が子供たちに求めることには意味があり意義があることを子供たちは知っているし、教育されている。
 例えば、「なぜ、おはよう!という挨拶をしなくちゃいけないの?」と子供たちから質問されたら、読者は親としてどう答えるのか?「挨拶をすることは常識だから」では答えになっていない。
 例えば、「なぜ、お大事に!と患者さんに言わなくちゃいけないのですか?」とスタッフに聞かれたら院長(経営者)としてどう答えるのか?
 読者のクリニックにおいて「朝の挨拶」はどのように定義されているのか?「患者への挨拶の定義」は?その定義はスタッフに浸透し遵守されているのか?
 試しにスタッフへ質問してみることをおすすめする。

 さて、今井家の朝の食卓に話しを戻そう。『今井家の小さな戦い』の始まり、第1日目である。
 次女のS(7歳)はピカピカの1年生。私は父親として1年生の時期が6年間の小学校生活をおくる上で最も重要な導入期だと定義している。もちろん主観的な父親としての判断だけではなく、教育者として小児心理学の本を読んだり、フロイトも年齢上もっとも将来の人格形成に影響を与える時期として理論付けていることを調べた後の判断でもある。(フロイトが全て正しいとは決して思っていない)

 私はいつものように話し掛ける。
 「S、学校は楽しいかい?」
 「うん、楽しいよ!」と、いつもと同じ元気な答えが返ってくることが当たり前だと思っていた。
しかし、
 「うーん?楽しいよ・・・」
これが、子供からの黄色信号のメッセージである。声の質が違う。
 「何かいやなことでもあったの?」
Sは、ちょっと言いにくそうに、
 「うーん、私のことをね、“オシリ”って呼ぶ子がいるの。」

 イジメの始まりである。
 その程度のことで大げさなことを言うな、という読者がいても耳を貸すつもりはない。Sが当事者であり、親としての当事者は私なのである。
 (私のイジメの定義は、“弱者に対して一方的な身体的苦痛や精神的苦痛を複数で一人に対して継続的に行うこと”としている。)
 “オシリ”と言った本人に悪気がないことも想像できるし、「気にするなよ(笑)」で済ませることも選択肢の一つであるかもしれない。しかし、これに限らず、単なる悪ふざけから取り返しのつかないことになっていった例をいくつも知っている。皆さんも心当たりがあるに違いない。
 論点は一つに絞り込まれる。今井家(親として)の『教育の定義』のひとつに「人の嫌がることをしない、自分がされて嫌なことは人にしない、嫌がることをされた人がいれば助ける」がある。

 朝食の会話は続く。
 「Sは“オシリ”って言われた子に嫌なことをしたの?」
 「してない」
 「本当に?」
 「絶対してない」
 「“オシリ”と呼ばれて嫌なの?」
 「いやだ」

 私は親ばかではない。私が親ばかなら、直ちに学校に電話を入れ、「うちの娘がオシリと呼ばれて嫌がっているからやめさせてください」と言うだろう。しかし、先にSがその子に嫌なことをしてないか、相手に嫌なことをして報復されたのではないのか、という疑いの余地は残しているし、相手に全て非があると言う判断はこの段階(情報の量と質)では危険であることを知っている。しかし、解決のプロセスの中で、事実は解明されていくことになるのである。

著者プロフィール 医科歯科開業、物件に関するご相談はこちら TEL 03-3833-3950 eMail info@keystation.com

今井 義博の写真

株式会社キーステーション 統括プロデューサー 今井 義博

経 歴

  • 1961年、東京生まれ
  • 暁星学園小中学校卒業(暁星歯学会・事務局長)
  • 早稲田実業学校高等部卒業(早稲田実業学校校友会・代議員、サッカー部OB会・副会長)
  • 早稲田大学専門学校建築設計課卒業・現早稲田大学芸術学校(稲門建築会会員)
  • (株)銀座コージーコーナー(店舗開発設計室)
  • (株)清水建設(OAセンターCAD開発)
  • (株)デンタルリサーチ社(職業紹介事業・東京都第1号)
  • Tokyo Expert Network of Japan(J-TEN)代表
  • (株)キーステーション(統括プロデューサー)
  • ニュー・マーケティング協会会員
  • 詳細プロフィールはこちら >>

著 書

  • 医療人事戦略(クインテッセンス出版)
  • リニューアル&ニューオープン(クインテッセンス出版)
  • 歯科医院経営近未来学(クインテッセンス出版)
  • 挑戦する医院経営(じほう社)
  • 医院経営と空間デザイン(Health Sciences Vol.24No1 2008日本健康科学学会誌掲載)

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統括プロデューサー 今井義博×学界著名人 対談テーマ:日本人の健康を考える

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